中村順子さん (67)
認定NPO法人「コミュニティ・サポートセンター神戸」理事長/神戸市東灘区
中村順子さん (67)
認定NPO法人「コミュニティ・サポートセンター神戸」理事長/神戸市東灘区
何かしなきゃ。何をすべきか。阪神・淡路大震災の後、1週間くらい考え続けました。
それまで13年間、神戸市東灘区の在宅福祉団体で高齢者や障害者の支援をしていました。1980年代に広まった「有償ボランティア」です。でも、被災地の救援は別の形が必要だと思いました。
思い付いたのは、被災者に水を届ける「水くみ110番」。それは私自身のニーズでした。激震に耐えた東灘区の自宅には、多くの親類が避難してきていました。
95年2月2日、幼稚園の園庭に張ったテントが最初の拠点。被災者のニーズに応じ、活動は仮設住宅のコミュニティーづくりなどに変化していきました。
現在理事長を務める団体を設立したのは、震災翌年です。活動は「中間支援」。地域を支えるNPOやボランティアを支援する。地域で役割を担い、生きがいを感じる人を増やしていく。
そういう組織の必要性は、震災前から感じていました。直接サービスを提供するだけでなく、現場の活動から制度を変え、社会を変えていくことが重要だ、と。
震災が「やりなさい」と背中を押してくれた。この20年、動けば必ず応援してくれる人がいた。これからも東灘という現場は離れない。私は何をすべきか。ここで考え続けます。
(聞き手・磯辺康子 写真・辰巳直之)
神戸市東灘区西岡本2