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考え方自体、見直し必要 平山・神大教授
 「空き地のすべてが問題だという価値観を見直すべき時に来ている。空き地はあって当たり前という見方が必要だ」と話すのは、神戸大の平山洋介教授(44)=住宅政策。

 戸建て中心だった住宅街に震災で大量の更地が生まれた。そこに高層マンションの建設が相次いだ。被災地全体では、すでに住宅が供給過剰になっているといわれる。

 「少子化で人口は頭打ち。空き地を解消するためにマンションを建てれば、ほかの空き地は解消されにくくなる」と指摘する。

 「確かに商店街に空き地が多いというのはダメージが大きく、出店を促すような誘導策をさらに考えなければならない」と平山教授。

 一方で、「住宅街での景観や防犯、ごみ投棄などの問題は、空き地のままでも解消できる。例えば、空き地に芝生を敷いたり、街灯を設置したりすれば、地主に税金を減免するような施策があってもいい」と空き地の新たな活用策を提言する。

先送りすれば一層困難 石田・不動産コンサルタント
 被災地で駐車場が増えている。「供給過多で、駐車場代は震災前の三・四割安」と、住友林業ホームサービスの不動産コンサルタント石田正敏さん(54)は指摘する。

 駐車場にしかできない土地があるという。地主と借地・借家人とが争い、建てるも、売るもできないまま駐車場になる。「問題があるのが分かっているのに、だれも手をつけないのが最大の問題」と石田さん。

 解決策がないわけではない。土地を売り、現金化して分ける。土地の所有権と借地権とを交換し、空き地を半分ずつに分ける方法もある。「結局、感情のもつれが紛争の最大の原因。それをほぐすのが私の仕事」

 被災した空き地の固定資産税の軽減特例が二〇〇五年で切れ、現在の六倍になるのを石田さんは心配する。現状では神戸市内だけでも計九億円分が軽減されている。

 「それを払うとなると、地主がパンクする。問題の先送りは、解決を困難にするだけだ」

2003/6/18
 

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