連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

  • 印刷

▼西宮市森具地区、西宮北口駅北東地区 高層化防ぐ地区計画提案

 西宮市の森具地区(一〇・五ヘクタール)は一九九七年一月に着工し、震災から丸五年の今年一月十七日、地区中央に完成した森具公園で「復興セレモニー」を行った。

 仮換地指定率は九七%。補償交渉は残り一件となり、道路やライフラインの本管整備も九七・九九%まで進んだ。約三百七十区画ある宅地のうち、二百八十区画に住宅が建ち、駐車場利用などを含めると八割が再建ずみ。「まちのハード整備はほぼ完成した」(西宮市)という。

 まちづくり協議会は「一定の役割を果たした」として三月二十六日に解散。通常の自治会活動に移行した。市では、本年度中に換地処分計画を定めるための準備を進めており、事業は清算段階を迎える。

    ◆

 西宮北口駅北東地区(三一・二ヘクタール)でも仮換地指定率が九割を超え、住宅再建も本格化。地元のまちづくり協議会は高層建物の乱立を防ごうと、地区内の建物の高さを制限する地区計画案を西宮市に追加提案、条例化を目指している。(勝沼 直子)

神戸市、淡路の現状 「にぎわい」まだ遠く

 神戸市内では十一地区で復興区画整理事業が進む。大半の地区で、事業計画の決定から既に三、四年が経過し、仮換地指定率の市平均は六六%(七月一日現在)に達する。しかし、仮換地が終わっても、高齢や資金難を理由に自宅再建を断念する例も少なくない。更地が“虫食い状態”で残るケースも出始めており、一部から「再・仮換地」で土地の集約を求める声も出ている。

 同市長田区の御菅西地区(四・五ヘクタール)。震災前には三百三十四戸があったが、二百四十二戸が全壊・全焼するなど、八三%にあたる二百七十六戸が大きな被害を受けた。同地区の仮換地指定率は五七%に達したが、住宅や店舗の再建を申請したのは三十九戸にとどまる。震災直後から同地区で活動を続けているボランティアは「実際に再建できたのは十五、六軒程度。受け皿住宅などへの入居者もいるが、まちのにぎわいが戻ってこないのも事実」と話す。

 同地区で会社を経営する男性は「このままでは再建できた家と家の間に、利用しにくい土地が残るケースが出てくる。当分、家を建てない人の土地を集約するなどの工夫も必要ではないか」と訴える。

 これに対し市は「集約するメリットはあるが、個人の財産の問題でもあり難しい」としている。

    ◆

 淡路島・北淡町の富島地区。仮換地指定率は県内で最も低い一三%にとどまる。同町都市整備事務所は今月下旬にも、初めて対象地域全戸に、具体的な仮換地案を個別説明する。事業は大きな節目を迎えようとしている。(西 栄一)

<築地地区 復興の歩み>
1995・1・17 阪神・淡路大震災
1995・2・26 築地地区復興委員会発足
1995・8・8 第1次都市計画決定
(被災市街地復興推進地域の指定、土地区画整理事業区域の決定など)
1995・9・14 住宅地区改良事業地区指定
1995・12・28 第2次都市計画決定
(都市計画道路、都市計画公園の決定)
1997・2・28 仮換地指定始まる
1997・3・20 第3次都市計画決定(道路2本追加)
1998・3・31 第1期改良住宅完成(120戸)
1999・5・31 第2期改良住宅完成(60戸)
1999・12・14 第4次都市計画決定(道路追加)
2000・1・31 第3期改良住宅完成(104戸、8店舗)
2000・3・6 第4期改良住宅着工(16戸、7店舗)

復興土地区画整理事業の現状
(7月1日現在、決定日は年・月・日)
地区面積
(ヘクタール)
事業計画
決定日
仮換地
指定率(%)
森南第一6.797・9・2587
森南第二4.698・3・587
森南第三5.499・10・729
六甲道
駅北
16.196・11・688
六甲道
駅西
3.696・3・2694
松本8.996・3・2673
御菅東5.696・11・677
御菅西4.597・1・1457
新長田
駅北
59.696・7・948
鷹取東
第一
8.595・11・30100
鷹取東
第二
19.797・3・554
芦屋西部
第一
10.398・5・2560
芦屋西部
第二
10.798・3・2639
芦屋中央13.496・6・1870
森具10.596・2・2997
西宮北口
駅北東
31.296・11・891
築地13.795・12・2765
富島20.996・11・613

2000/7/17
 

天気(9月9日)

  • 33℃
  • ---℃
  • 30%

  • 34℃
  • ---℃
  • 50%

  • 35℃
  • ---℃
  • 20%

  • 35℃
  • ---℃
  • 20%

お知らせ