成人未満 第2部 検事が見た「少年A」

25年前。神戸市須磨区にあるニュータウンで、何者かに小学生の男女が次々と襲われ、2人が命を落とす事件があった。地域の住民は、その残虐な行為に怒り、恐怖に震えた。捜査機関は、さらなる犯行をほのめかす挑戦状を現場に残した「酒鬼薔薇聖斗」を名乗る「男」の行方を追った。逮捕されたのは、地元に住む当時14歳の中学3年生、「少年A」だった。Aを取り調べた神戸地検の主任検事が、四半世紀の時を経て、あの事件を初めて語る。

現在は「神戸連続児童殺傷事件」という呼称が定着している。だが「少年A」の調べが進むまで、1997年3月に起きた連続通り魔事件と、5月の小6男児殺害事件は「別筋」として捉える向きがあった。

神戸連続児童殺傷事件で、逮捕された「少年A」は14歳だった。当時は起訴できない年齢だ。では、なぜ起訴を担う神戸地検は深く携わったのか。理由の一つには、日本の治安を揺るがす凶悪事件で、当初は「犯人」が大人とみられていたことがある。元主任検事の男性(69)=現在は弁護士=が当時を振り返る。
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