10円商品は店頭から消えた(東京都江戸川区の駄菓子屋「石川商店」)

10円商品は店頭から消えた(東京都江戸川区の駄菓子屋「石川商店」)

 手ごろな価格で楽しめる駄菓子が値上がりしている。原材料費の高騰などで近年は価格改定が続き、10円で買えるお菓子というイメージは昔のものとなった。一方で大人向けの需要を開拓する新業態もあり、懐かしさとおいしさを看板にファンを集めている。

 「1人600円で駄菓子食べ放題」。席のチャージ料として駄菓子を食べ放題で提供する居酒屋「駄菓子バー」が大人市場を開拓している。店内は昭和に回帰したようなレトロな内装で、駄菓子屋を模したコーナーが目玉だ。アルコール飲料やつまみのメニューがある一方、駄菓子目当ての客も集まる。

 現在は都内に3店舗展開し、開業から20周年を迎えた。運営するサービスマート(東京・中央)の小泉真史取締役は当初のコンセプトについて「子供のころに小銭を握りしめて駄菓子屋に通った時の記憶を、お酒を飲みながら懐かしむ空間を作りたかった」と振り返る。実際には想定より若い年代が中心で20代前半の女性客も多い。小泉氏は店のレトロな雰囲気などが「逆に新鮮に映るのだろう」とみる。