JR西日本のローカル路線が野生のシカ出没に悩まされている。JR西福知山支社が管轄する山陰線・園部(京都府南丹市)-東浜(鳥取県岩美町)間で発生した動物との衝突事故「レールキル」は、2019年度から3年連続で千件の大台に達した。衝突する動物の大半がニホンジカだ。鉄製の柵を設けたり、シカが嫌いな臭いの液体を散布したり、対策はさまざま。中でも私が気になったのは「シカ徐行区間」。10年前に始まったというローカルルールだが、今年2月をもってひっそり廃止になったという。いったいなぜ?
今回の取材では、山陰線に乗務する複数の運転士や保線作業員から話を聞くことができた。運転士らは多発するレールキルと日々どのように向き合っているのか。現場の声に耳を傾けてみると、長く続いた「徐行区間」取りやめの理由も見えてきた-。 (小林良多)
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