深ヨミ

(2)<番外編>「一庫炭」生産する技術、歴史や景観…世界文化遺産にも匹敵

2022/05/14 05:30

 おじいさんは山へ柴刈りに-。昔話に描かれた通り、古くから人は集落近くの山へ入り、生活に必要な燃料を集めた。山の管理が日常の中にあり、大事に育てた木を使って炭を焼いた。今回、兵庫県川西市の黒川地区で伝統のブランド「一庫(ひとくら)炭」(池田炭)を守る今西学さん一家を取材して、知っているようで知らない炭の世界の奥深さに引き込まれた。黒川周辺の里山林について「日本一の価値を持つ」と指摘するのは兵庫県立大学の服部保名誉教授(植生学)。そもそも里山林とは「自然林とは異なる人工の環境」だという。炭焼きを通して見えてくる、人と自然の関係について教わった。



流派によって異なる規格にカットされたお茶用の「一庫炭」。太さや形状はさまざま。まるでお菓子の箱をのぞいたよう=1月27日、いずれも川西市黒川



今、私たちの暮らしの中で炭に触れる機会は限られます。


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