問題児扱いの末に/早期発見、支援で救える
円を半分に割り、片方だけをさらに半分に割ったような図が、大きく表紙に描かれている。添えられた説明は「非行少年が“三等分”したケーキの図」。立命館大学の宮口幸治教授が著した「ケーキの切れない非行少年たち」(新潮新書)が、異例のベストセラーとなっている。医療少年院で勤務した際、知的ハンディを抱える非行少年が大勢いることに衝撃を受けたのが執筆のきっかけという。本来は保護されるべき対象なのに、なぜ学校で問題児扱いされ、加害者になってしまうのか。「被害者」の側面も持つ非行少年をこれ以上生まないよう、教材開発にも取り組む気鋭の児童精神科医は、知的ハンディがある子どもの、真の意味での支援とは何かを考え続けている。(霍見真一郎)
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