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国旗を手に雄たけびをあげる堂安律(右)と長友佑都=ハリファ国際スタジアム(撮影・金田祐二)
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国旗を手に雄たけびをあげる堂安律(右)と長友佑都=ハリファ国際スタジアム(撮影・金田祐二)

 サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で、日本は2日朝、スペインとの1次リーグE組最終戦に臨み、0-1の後半開始から途中出場したMF堂安律(24)=兵庫県尼崎市出身=が同点ゴールを決め、2-1の逆転勝ちに大きく貢献した。右サイドでMF伊東純也が競り合ってこぼれたボールをトラップし、中に入って左足で強烈なシュート。ドイツとの第1戦に続いてW杯優勝国相手に決めた今大会2点目は、日本を2大会連続の決勝トーナメントに導く一撃となった。

 後半3分、「尼崎の星」がまたしても反撃ののろしを上げた。ペナルティーエリア手前、右45度の位置から左足を一閃。ボールはGKの手をはじき、ゴールに吸い込まれた。試合直後のインタビューで、堂安は自身の得点について「あそこは俺のコース。あそこで持てば絶対打ってやるって決めていた。思い切って打ちました」と振り返り、「まだ歴史を塗り替えたわけじゃないんですけど、大きな壁を乗り越えたなって。チーム一丸となって戦えた結果」と達成感を口にした。

 後半6分には右サイドから鋭いクロスを送り、田中碧の2点目の起点となった。強豪のドイツ、スペインからゴールを奪い、チームの雰囲気を一変させた背番号8は「これで1戦目が奇跡じゃなくて、必然で勝ったと国民のみなさんに思ってもらえる」と誇った。

 勝てば16強入り、負ければ大会を去るという大一番を「最高の状況。ここで燃えない男はこのメンバーにはいない」と受け止め、闘志を燃やした。何より、昨夏の東京五輪準決勝で敗れ、金メダルの夢を絶たれたスペイン戦。因縁の相手に「2回も負けられない」と奮い立った。

 高い技術でパスを細かくつなぎ、圧倒的なボール保持率を誇る「無敵艦隊」スペインに対し、堂安はボールを奪った後にどれだけ好機をつくれるか、プレーの質をキーポイントに挙げ、集中力を研ぎ澄ませた。

 第2戦のコスタリカ戦は初先発ながら好機を演出できず、チームも0-1の完封負け。それでも持ち前の強気を貫き、また逆境を乗り越えた。

 日本サッカー協会が公開したドイツ戦の舞台裏動画では、「散々、口だけ、口だけって言われてきたから、それを覆すには最高の舞台って気持ちで反骨心を持ってピッチに入った」と振り返っていた。W杯アジア最終予選時のギラギラした気持ちに変化はあるのかと問われ、「変わっていないです。野心はなくしていないし、丸くなったら終わりだと思っている。現役中は絶対に丸くならないように、とんがり続けようと思っている」とも宣言している。

 E組を1位で突破した日本は、日本時間6日午前0時からの決勝トーナメント1回戦で初の8強入りを懸け、前回大会準優勝のクロアチアと対戦する。堂安は「まだベスト16の壁を乗り越えられていない。きょうはたくさん喜んで、あすから切り替えたいと思います」と話し、引き続き熱い応援を呼びかけた。

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