2024年4月に神戸新聞社で開かれた「第1回こども震災学校」では、震災で母と弟を亡くした長谷川元気さんのお話を聞きました。参加した子どもたちの感想文を、一部抜粋して紹介します(漢字などの一部を新聞表記に合わせて直しています)。

 ◇神戸市西区 中学1年 黒川凜(りん)さん

 私は、お話を聞いて長谷川さんの悲しみやつらさを知ることができました。お母さんと弟を亡くした時の気持ち、そこから学んだことを自分に置きかえると、ぞっとしてしまいます。また三つの大切なことも、心に残りました。

 大切な家族を一瞬にして亡くしてしまうと、私ならもう生きる希望がなくなると思います。それなのに「3人で力を合わせてがんばろう」と思える切り替えに感動しました。また、そのような体験から三つの大切なことを知ったという思いにも胸が熱くなりました。

 一つ目の「夢」を持つことは、悲しい体験をしたからとあきらめるのではなく、優しい先生にあこがれて先生になったと知り、どんなことがあってもあきらめてはいけないと思います。二つ目の助け合い、支え合うことでは、誰かが困っていたらすぐに助けにいくことの大切さを知ることができました。そして三つ目のいま自分のまわりにいる人です。家族はいつでもそばにいるけれど、それは当たり前ではないため、必ず大切にしたいと思いました。

 このような貴重で、大切なお話を聞くことができて、本当にうれしかったです。悲しい体験、そこから学んだことを伝えることは大変だと思います。私は体験をしていないけれど、いろいろな人に今回のお話などを伝えていきたいです。また、防災・減災をして、自分の町、そして家族をしっかり守りたいです。

 ◇神戸市北区 小学5年 古林このみさん

 「私が話を聞いて思ったこと」

 私は、話を聞いて、思ったことが三つあります。

 一つ目は、どんなつらいことがあっても、立ち向かうことです。震災が起きて、家族がいなくなっても、将来へ立ち向かい、一生懸命生きようと思いました。

 二つ目は、いま、まわりにいる人を大切にすることです。いつも、私のために、地域の人や、家族などたくさんの人が支えてくれているので、「ありがとう」を、地域の人にも伝えたいと思いました。

 三つ目は、災害で家族を亡くした人と私の立場を入れ替えたら、です。もし私が家族を亡くしたら、一瞬で大切な人が消えちゃうなんて信じられない。もっと幸せに暮らしたかったのにと思うと思います。けれど、こんな思いをした人は、世の中にはたくさんいると思うし、後悔した人もたくさんいると思うので、毎日を大切にしようとも思いました。

倒壊した自宅の写真を見せ、当時の様子を語る長谷川元気さん=4月6日、神戸新聞社

 ◇神戸市北区 小学5年 加舎純怜(かや・すみれ)さん

 私は、長谷川さんのお話を聞き、自分がつらかったと思う経験を子どもたちの前でたくさんお話してくださって、これまでになかったとても大切な機会になりました。学校では教えてもらえない内容や実際の写真などを見て、より地震を身近に感じました。

 お母さんと弟さんが下敷きになってしまったタンスは、地震に備えて軽くなったんじゃないかとこのお話を通じて思いました。

 助け合い、支え合うことは今でも大切だと思いました。これからはご近所さんや友だちと仲良くして、いつでも助け合い、支え合っていきたいです。

 家族でも、ささいな事でも感謝を伝えるとお話であり、いつも伝えられなかった感謝をたくさん家族に伝えたいです。私は、大きな地震を体験したことがないので、こうやって本当に経験した人が経験していない人に自分の意見を伝えているのを見て、私も自分の気持ちを伝えられるようになりたいと思いました。

 ◇淡路市 小学5年 上田楓(かえで)さん

 「震災学校で話を聞いて」

 私は、最初に資料を見て、阪神・淡路大震災のことを詳しく知りました。そして、火事や高速道路のこわい写真を見て、地震のおそろしさをあらためて実感しました。世界でも、たくさん震災が起きていて、特に心に残ったのはマグニチュード9を超える大きな地震もあるということで、考えただけでこわくなりました。

 長谷川さんは弟と母を亡くして、阪神・淡路大震災を体験した人だそうです。助かった弟も、地域の皆さんとの絆のおかげだと思います。なので、地域の人に積極的にあいさつをしたり、交流で仲を深め合いたいです。

 また、備蓄品は私の家にありますが、お出かけしている時震災が起きてしまったらいけないので、その時にはどうすればいいかなども考えていきたいと思います。

 でも、まずは自分の身が一番大事です。家族全員の安全が確保できれば、自分から近所の1人暮らしのおじいさんや、友だちも助けられたらすてきだなと思いました。

 ◇神戸市中央区 小学4年 田畑杏莉(あんり)さん

 「私が生きている時に震災があったら」

 私は、今まで大きな震災にあったことがありません。なので震災はどんなものかまだ分かりません。なので、もし私が震災の時生きていたらどのような生活をしたのか考えてみました。

 今までたくさんの人たちに話されてきた地震は、私が寝ている時間でした。もし私が寝ている時に地震があったら、私の寝ている頭の上にはソファがあります。なので元気さんのように物が倒れてきたらとっても危ないです。なので、もし震災があったら危険なのでソファをしっかり固定したいなと思いました。

 そして地震があって避難するところはまだ決めていないので、どこに逃げるか迷ってしまうので、震災が起きないうちに逃げるところを決めようと思いました。

 それで何も持っていないままどこかに逃げると何もできなくなります。なのでこれから震災用のライトや缶詰をリュックに入れておこうと思います。

 私が生きている時に震災が起こると困ることがたくさんありました。なので震災があって困らないように今のうちに準備したり、震災があった大人の人たちの話も今のうちにたくさん聞いておきたいです。

長谷川元気さんの話を聞いたあと、感想を発表し合う子どもたち=4月6日、神戸新聞社

 ◇神戸市中央区 小学4年 中山凛香(りんか)さん

 「被害にあった人の気持ち」

 私は被害にあった人の気持ちを考えました。私は今まで大きな地震にあったことがありません。私は地震のことについて真剣に考えたことがなかったので、いきなり地震がどれだけ怖いかが分かりませんでした。でも今日ここで、語り部の長谷川さんの話を聞きました。長谷川さんの家が2階建てのアパートの1階が2階に押しつぶされたり、国道が壊れたりするということなどで、地震の怖さが知れてよかったと思いました。私はそんな家がつぶされたり国道が壊れたりすることより、もっと怖いのは、家族が亡くなってしまうことだと思いました。私は家族が死んでしまう悲しみを味わったことがないので、その悲しみが分かりませんでした。でも、語り部の長谷川さんの話で家族が亡くなった悲しみが分かりました。今でも、能登半島地震や台湾地震で多くの家族を亡くしている人がいると分かりました。私は大人になったらボランティアをしようと思いました。

 ◇明石市 小学4年 三好真帆(まほ)さん

 「阪神・淡路大震災の話を聞いて学んだこと」

 家族がみんなそろっていて、平和に過ごせているのは当たり前じゃなく、すごく特別なことだとあらためて実感しました。長谷川さんは、きっと他の人に自分みたいな思いをしてほしくないという気持ちで話をしてくれたんだと思います。家族に少しでも優しくしてもらったらありがとうとお礼を言うなど、まわりの人をもっと大切にしていきたいです。長谷川さんの話していたことをもとにして、どうやって災害に向き合うかを考えることができました。例えば、非常食を用意する、冷蔵庫やタンスには、上に支えを付けるなどです。長谷川さんが話してくれているのは当たり前ではなく特別なこと。これからは今の暮らしは当たり前ではなく、特別なことと考えるようにしたいです。

 ◇明石市 小学3年 三好莉帆(りほ)さん

 「阪神・淡路大震災の話を聞いて思ったこと」

 私が阪神・淡路大震災のことを聞いて思ったことは三つあります。一つ目は、自分のお母さんがいなかったら自分も生まれていないし、もしも男の人が子どもを産めるとしても男の人からはミルクは出ないからです。しかもお母さんがいないと一緒に寝ることも、いっぱい抱っこしてもらうことも、一生懸命働いてお給料をもらうことも、そのことでお父さんはギチギチになってしまいます。

 二つ目は防災グッズのことです。家に防災リュックがあるかは知らないけれど、いくつか地震対策をしているのは知っています。火災報知機もあるし、冷蔵庫やレンジを支える棒もあるし、本棚が倒れないようにするものもあります。三つ目はお金のことです。もしも自分の街に地震がやってきて火事になって家が燃えて、何とか逃げ出したけどお金がすべて燃えたときはどうすればいいのか、銀行も燃えてしまって、そういう時はお金をどうすればいいか気になります。もし自分がこうなったらどうすればいいのか、そういうことを考えることが大切だと思います。

 ◇神戸市北区 小学3年 片山日禾成(しいな)さん

 僕がここに来ようと思った理由は、1年のころに防災の本を読んで興味を持ちました。

 それで前に東日本大震災の被災地に連れて行ってもらいました。だけど阪神・淡路大震災のことは少しだけしか知りませんでした。なので今回来ようと思いました。特に心に残ったのは「普段から準備しておくのが大切だ」というとこが大切だと思いました。家具の固定や最低でも一日分の用品(詰め込みすぎは×)を用意したり取り付けておく。

 ◇淡路市 小学2年 上田夏穂(なつほ)さん

 「震災の話を聞いて」

 私は、お母さんがいなかったら、料理や洗濯物も、お父さんや私たちがやらなきゃいけないんだなと思いました。

 いつもお父さんお母さんがいるのは、当たり前だと思っていたけれど、この話を聞いて、当たり前じゃなかったことが分かりました。

 この話で大切なことの三つが、とっても大切なことが分かりました。

 大人になっていく中で、大きな地震にあったらどうしようと思ったら怖くなってしまうけれど、きょう話を聞いてこうすればいいんだなと思って少し安心しました。

 非常食や地震が起きたときのためのものは、用意しておくことが大切ということが分かりました。