■集団の中で個人を捨てる怖さ/大事なのは「物語」より「データ」
太平洋戦争中、旧日本軍は爆弾を抱えた航空機や船舶などで敵艦に体当たりする特攻作戦を繰り広げた。作家で演出家の鴻上尚史さん(67)は2017年、陸軍の航空機による特攻で9回出撃し9回生きて帰った、名パイロットの佐々木友次(ともじ)さんを主人公にノンフィクション「不死身の特攻兵」を著した。そこに描かれる組織の同調圧力は今日でも、企業の不祥事やコロナ禍の人々の行動にも見え隠れする。戦後80年、私たちは特攻作戦から何を学べばいいのだろう。鴻上さんと語り合った。(森 信弘)
-「不死身の特攻兵」を読み、佐々木さんに会いたかったという鴻上さんの熱意を強く感じました。