■里山利用と産業技術の結晶/水の脅威と恵みを学ぶ
酒づくりや「Kobe Water」など、人々に水の恵みをもたらしてきた六甲山。山麓の神戸、芦屋、西宮では江戸時代から水のエネルギーを生かした水車産業が隆盛し、搾油や製粉、歯車産業、建設業などものづくりの技術が発展する舞台となった。また、水車精米は灘五郷が日本一に飛躍する原動力となる。「水車を未来につなぐ会」は神戸歴史遺産の一つ、「住吉川の水車小屋跡」の保存と活用に取り組む。アドバイザーの千種浩さん(66)に、六甲山麓産業化をデザインした先人の「ものづくり史」について聞いた。(辻本一好)
-神戸市の学芸員として長く文化財行政に携わってこられました。水車小屋群の遺跡との関わりは?