鉄橋下は光と影が織り成すアート空間だ。間近に見る幾何学模様の鉄骨群は迫力十分。行き交う電車が重厚な音を響かせるたびに、異世界へ迷い込んだような錯覚に陥った。

鉄橋下は日が傾くに連れて表情を変える=尼崎市側の駅舎下で

 鉄橋は、西宮、尼崎市境にある。約200メートルの橋上に阪神武庫川駅のプラットホームが載っている。頭上から降り注ぐ光の正体はホームの照明だ。

西宮側から武庫川を望む。川の向こうは尼崎市だ

 後日の昼下がり、東の改札から尼崎側へ出た。ゆるやかな坂を下ると古い市場と出合った。シャッターはほとんど閉まっているが、営業中の店もちらほら。少し寂しさを感じながらも店主と客が立ち話をする姿に心が和む。