■感動が社会変える起爆剤に/選手とファン交われば、力増す
バスケットボールの八村塁選手、テニスの大坂なおみ選手、陸上のサニブラウン・ハキーム選手。海外にルーツを持つ日本人のアスリートが、国内外で活躍する時代がやってきた。一方で交流サイト(SNS)では、肌の色の違いによって暴力を振るわれたり、心を傷つけられたりしたアスリートの経験が投稿されている。スポーツは私たちの意識を、社会を変えていくことができるのだろうか。人種問題を抱える米国のスポーツ事情に詳しい早稲田大学の川島浩平教授(63)に聞いた。(伊丹昭史)
-日本でもバスケットボールやサッカーなどで、海外にルーツを持つ選手をよく見るようになりました。
「国際的な競技団体は、ダイバーシティー(多様性)やインクルージョン(包摂性)を掲げていて、日本のスポーツ界もその一員です。JリーグやBリーグなどは今、海外クラブとの連携を強化したりアジア人枠を拡大したり、あるいは外国にコンテンツを配信したりと、競うように海外進出を進めています。同時に、世界各国から選手を積極的に受け入れています。日本でルーツが多様な選手が増えている背景には、そうした事情があると思います」