■分断続き、対話の余地なく/大統領選は未来像に触れる契機 

 隣国の韓国では、尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領が「非常戒厳」を宣言したことにより罷免され、6月3日に大統領選挙が実施される。革新系野党「共に民主党」の前代表、李在明(イジェミョン)氏が最有力候補と目されるが、李氏自身も公職選挙法違反罪に問われており、最高裁が無罪判決を破棄して差し戻し審を控える身だ。韓国では1948年の建国から権威主義政権が続き、87年にようやく民主化を果たした。しかし、38年を経てなお、司法を巻き込んだ混乱が続く。韓国政界はなぜこれほど揺れ動くのか。韓国の政治史に詳しい神戸大大学院の木村幹教授(59)に話を聞いた。(霍見真一郎)

-韓国が民主化した1987年とは、どんな年だったのでしょう。