朝まだき。水平線に赤が差し込む。播磨灘に肩を寄せ合うように集まる四十余りの島影。家島本島(姫路市家島町)の静かな湾が刻々と色を変えていく。

 

玄関口、家島港の夜明け=姫路市家島町真浦

 午前6時、姫路港へ向かう始発の定期船が力強くエンジンを震わせた。湾内の巨大の石材運搬船はまだ眠っている。造船所のクレーンが生み出す硬質な景色の中、島民の日常を乗せた定期船は、朝日へ飛び込むように進んでいった。