新緑もえる山の急斜面を真っ白なミニモノレールが登っていく。小さくなる眼下の集落。最大斜度38度のレールをゆっくりと進むと、見渡す限りの山地と初夏の青空が窓ガラスに広がった。まるで空中散歩の気分。利用者らの歓声が車内に響き渡る。
市域の約9割を森林が占める宍粟市。南部に位置する国見山(465㍍)に兵庫県立国見の森公園がある。2006年、自然や里山に親しむ学習拠点として開園した。園の面積は甲子園球場100個分に迫る約372㌶と広大だ。森は奥深く、スギやヒノキの「人工林」に加え、クヌギ、コナラなどの「天然林」も多く四季の彩りを楽しむことができる。