声援に応える福岡ダイエーホークスの王貞治監督(左)と中内功オーナー=2000年10月22日、東京ドーム

声援に応える福岡ダイエーホークスの王貞治監督(左)と中内功オーナー=2000年10月22日、東京ドーム

 大型店の出店規制によって成長にブレーキがかかったダイエーだったが、1980年代後半からのバブル経済期、傍目(はため)には飛ぶ鳥を落とす勢いに見えた。プロ野球球団の取得とドーム球場の建設、リクルートや中堅スーパーの買収など巨額投資が相次ぐ。最盛期には「ダイエー王国」の売上高は3兆円を超え、グループ企業は160社とも400社以上ともいわれるほどに膨らんだ。流通業界の殻を破る、急激な拡大路線の背景を、経営学が専門の田村正紀神戸大学名誉教授(82)は、中内功氏が次の一手を模索していたとみる。(聞き手・村上早百合)