アクリル板の向こう側で扉が開き、刑務官と共に六十男が現れた。グレーの髪は伸びてウエーブがかかっている。ここは神戸拘置所の面会室。男性は判決を数日後に控えた詐欺・業務上横領事件の被告だった。