経済
生昆布の歯応えや風味楽しんで フジッコが乾燥昆布に代わる新商品 水揚げ後に即冷凍、作業負担を軽減
フジッコ(神戸市中央区)は、従来の乾燥昆布に代わり、水揚げ後に生のまま冷凍した生昆布を使った商品を発売した。同社で初の試みで、北海道産を使用。重労働の乾燥作業をなくし、高齢化や後継者不足が深刻な現場の負担を軽減する。同社は「乾燥昆布を守りつつ、生産者や資源をつなぐ一助となれば」とする。
つくだ煮の新シリーズ「ふじっ子煮MIRAI」。同社によると、国産の9割を占める北海道産昆布は、海水温上昇などにより、生産量がこの30年で約4割に激減。漁師の高齢化や後継者不足も深刻で、生産者数は10年前から2割以上減ったという。
生昆布は、地元の一部漁連と協力して加工場を整備して生産する。乾燥だと、水揚げ後、浜に並べて天日干しした上で、選別、カットなどの作業が必要だったが、生だと、天日干しが要らず、洗浄、カット、冷凍などをすれば出荷できる。
商品は、ゴボウやレンコンなどと合わせた「おやさい生昆布」と、キクラゲと刻んだ梅が爽やかな「梅入り生昆布」(各267円)。開発担当者らは「生ならではの歯応えや風味、つやを生かした。今後も新たな具材に挑戦したい」と話している。(赤松沙和)