神戸新聞NEXT | 読者の報道写真コンテスト | 年間賞
神戸新聞社 読者の報道写真コンテスト

読者の報道写真コンテスト

年間賞

年間賞

2025

 2025年の「読者の報道写真コンテスト」年間賞が決まりました。

受賞者には正賞のほか、最優秀、優秀、奨励の各賞には神戸新聞社から、努力賞にはニコンイメージングジャパンから副賞の撮影用品が贈られます。

表彰式は3月9日、神戸新聞本社で行います。

最優秀賞

最優秀賞

『秋色の情景 』

和田康男

11月一席

 本来の狙いはラクウショウのじゅうたんでした。前日の強風で、きっとびっしり落ちているだろうと思い、播磨中央公園(加東市)へ向かいました。景色の一部として撮影した家族の姿でしたが、家に帰りデータを見返していると、「これなら」と思うカットがありました。並木道で子どもたちの表情を撮るため、カメラの後ろで何度もジャンプして頑張るお父さん。高く飛ぶその頑張りに子どもへの愛情が込められていると感じました。地元に住んでいる者にしか撮れないものがあります。地元のアマチュアカメラマンとして、これからは地域の特性、風習、消えていってしまう文化などを自分なりに記録して残していきたいです。

優秀賞

優秀賞

『ウォーミングアップ 』

冠野順子

6月一席

 きれいな新緑に目がいき、縦に構図を決め、手水舎の赤も入れ込みました。肉付きのいい力士を手前に、イナバウアーのような準備体操を撮影しました。今回はトリミングなし。怖いことしたなと思いましたが、受賞したことで、「撮り方に間違いなかったな」と自信がつきました。普段は動きのあるスナップを撮ることが多く、常にアンテナを張り巡らしています。元気でいられるのは、頭と体を使うカメラのおかげです。遠くに行けなくなっても、地元だったらいつまでも撮りに行けるかな。カメラを持って走り続けたいです。

努力賞

努力賞

『娘を頼む! 』

山口康博

10月一席

 被写体探しのため日ごろからよく訪れる加古大池。屋外での結婚式に偶然居合わせ、撮影させてもらいました。作品に選んだ場面では、花嫁の父親が新郎に向けて抱いたであろう感情が、ファインダーを通しても伝わってきました。なんとなく始めた写真ですが、20年以上続いています。テーマを限定せず、面白いと感じたものには何でもレンズを向けてきました。腰を痛めてしまったため、最近は最小限の機材を持ち、近場での撮影を楽しんでいます。今回の受賞を励みにして、これからもいろいろな被写体に挑戦したいです。

奨励賞

奨励賞

『迫る 』

板井幹

8月一席

 洲本市の小高い丘で行われる「火踊り」を、少し離れた田んぼの土手から撮影しました。丘の上で炎の輪をつくる人は数人いるのですが、あえて一人を小さく写すことで、迫る炎の迫力を表現しました。今回の撮影は、明石の写真クラブの方々に誘ってもらい、バスに便乗しました。みんなうまいですよ。競争していて楽しいです。奨励賞は2年連続。本当のことを言うと1位を取りたかったですが、これでまたやりがいが出て頑張れます。死ぬまで機材担いで走り回ろうかなと思ってます。

次点

次点

『朝焼けの奥播磨の山々 』

米沢貞雄

1月二席

その他の候補作品

その他の候補作品

『花咲く 』

白石正春

12月二席

審査経過

▼記憶に残る心温まる一瞬

 年間賞は12月の受賞作決定後、月例コンテストの一、二席24点から映像写真部デスクが候補作を12点に絞る1次審査を行った。2次審査では編集局の局長、局次長、各部長ら総勢14人を審査員に、1位から順に4点、3点、2点、1点を配して投票。加点方式で上位4作品を選出した。

 総得点、1位票を最も多く集めた和田康男さんの「秋色の情景」が最優秀賞に選ばれた。紅葉で広く知られる撮影スポットだが、それにとらわれることなく、親と子の記憶にずっと残るような心温まる一瞬を見事に切り取った。子どもたちの笑顔が親の表情を想像させてくれるところも、写真としての奥行きを感じさせた。

 総得点で最優秀と並んだ冠野順子さんの「ウォーミングアップ」が優秀賞に選ばれた。めったに見かけることのない、まわし姿の人たちが見せたユーモラスな瞬感を切り取った。境内の新緑とまわしの色がシンクロしているのも面白い。

 努力賞は、新婦の父が新郎を抱きしめるという予想外の一瞬を捉えた山口康博さんの「娘を頼む!」に。

 奨励賞には、圧倒的な火勢の中で一心不乱に炎を振る人を写し込んだ板井幹さんの「迫る」が選ばれた。次点は米沢貞雄さんの「朝焼けの奥播磨の山々」だった。

 2025年の年間賞が決まりました。例年、絶景や自然現象、生きものが上位をにぎわせますが、今回は人の表情や営みをテーマにしたものが強さを見せました。そこには、ぬくもりのあるストーリーがありました。

 身の回りに起きたことを撮っていても、「時代感」はきっと刻まれていると思います。飛び上がったり、新郎をハグしたり、昔のお父さんはこんなことはしなかったかもしれません。伝統的な行事も、いつまでも続くとは限りません。すべては時代を映す報道写真たりうる作品です。

 2025年の応募総数は3611点。10代、20代の新たな仲間の登場もありました。心が動いた瞬間を、これからも写真にしてお寄せください。当コンテストが、そんな一枚一枚を通してお互いに刺激し合える場であれば幸いです。

(映像写真部長・山崎 竜)


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