ひょうご「新聞感想文コンクール」

バスで元気に

宮崎(みやざき)りの
 たつの市立揖保小6年

「赤とんぼのバス、来た!」

近所のバス停に赤とんぼ号が停まると、つい言ってしまいます。市の中心部から離れている私の町には、路線バスが通っておらず、電車の駅も遠いため、移動は車が当たり前で、バスは珍しい乗り物です。しかし、新聞で「バス利用 丹波市V字回復」という記事を読んでから、バスのことをいつもと違う視点で見るようになりました。私の住むたつの市も、丹波市と同じような課題を抱えているんじゃないかと思ったからです。

記事によると、減り続けていた丹波市の路線バスの利用者数が、20年以降、2・7倍に増えたとのことでした。V字回復している理由は、医療センターの開院に伴う路線バスの再編と、小中学校の統廃合で、通院患者と中高生の利用者が増えたからだということです。市のモビリティマネジメントに、地域住民が協力して成しとげた成果だと読み取りました。

そこで、ふと私はたつの市が運行するコミュニティバスのことが頭に浮かびました。ここでは、路線バスの代わりに赤とんぼ号が運行しています。小さなバス停に、たまにおばあさんが待っているのを見かけるけど、利用者が多いようには見えません。増便されたら利用者が増えて町がもっと元気になるのかな。

そこで私は早速、おばあちゃんを誘って「赤とんぼ号でたつの市を1周しよう」の旅を計画しました。一緒に時刻表を見て、降りる場所や滞在時間を決めました。すぐ近くのバス停から、ドキドキしながら初めて赤とんぼ号に乗った時、「おはようございます」と優しい運転手さんの声に、緊張が和らぎました。バスから見る景色は、いつもとはちがう特別な景色に見えました。私たちはまず図書館に行き、その後、終点まで乗ってお昼ご飯を食べました。帰りは、おばあちゃんが景色を見ながらたつの市のことを教えてくれて、話がはずみました。この旅を通して、大好きな図書館がもっとワクワクする場所になり、高校生になって遠くの学校に通うことになっても安心だと分かり、さらに、将来おばあちゃんが車を運転できなくなっても、赤とんぼ号が解決してくれることが分かりました。町のことを考えてくれる方々がいることを改めて実感し、赤とんぼ号をもっと多くの人に利用してもらいたいという気持ちも強まりました。

丹波市の事例のように過そ化や高齢化が進む中で地方での生活を守るためには、私たち一人一人が「地域の未来を支えるんだ」という意識をもつことが大事だと思います。そして住民と市が一緒になって取り組むことができれば、課題解決に向かう最良の方法になると感じました。地域を支えるために、私たちができることを考え行動したいと強く思いました。

また、友達と一緒に赤とんぼ号に乗って図書館に行くという夢もできました。友達とこの夢を実現することで、地域の魅力を再発見し、もっと多くの人と共有できるようになればいいなと思っています。

(6月16日付の神戸新聞・朝刊から)

神戸新聞社賞
部門 受賞者
学校名・学年
作品の題名
神戸新聞社賞 小学校
1・2年
岩本 珠璃
赤穂市立坂越小・1年
おばあちゃんちにあったしゃしん
小学校
3・4年
山川 詩七
神戸海星女子学院小・3年
ありがとうの気持ち
小学校
5・6年
宮崎 りの
たつの市立揖保小・6年
バスで元気に
中学生 橋本 のぞみ
加古川市立義務教育学校両荘みらい学園・9年
模擬原爆の存在
高校生 細川 咲希花
県立洲本高・1年
輝く地域の絆
兵庫県知事賞
部門 受賞者
学校名・学年
作品の題名
兵庫県知事賞 小学校
1・2年
鷹取 遵
加西市立宇仁小・2年
たのしくてしあわせなきゅうしょくのために
小学校
3・4年
庄野 敬浩
たつの市立小宅小・3年
赤字ローカル線を守ろう
小学校
5・6年
藤本 敦至
小野市立小野小・6年
最後までいつも通りに
中学生 大西 ほのか
加古川市立義務教育学校両荘みらい学園・9年
戦時下の障害者
高校生 アリ ジュリ
姫路女学院高・3年
命を守る架け橋 ガーナと日本の協力

学校賞

学校賞
学校賞
  • ・小林聖心女子学院小学校・中学校
  • ・愛徳学園高等学校

▽小学校1・2年

審査員特別賞
学校名・学年 受賞者 タイトル
審査員特別賞 神戸海星女子学院小学校1年 髙橋 穂乃香 たべもののもんだい
優秀賞・販売店会賞
優秀賞・
販売店会賞
西宮市立南甲子園小学校2年 今井 のどか 甲子園100さいおめでとう
姫路市立大津茂小学校2年 照井 響希 気しょうえいせいひまわりのみらい
入選
入選 神戸海星女子学院小学校2年 伊賀 莉子 亀田さんのまりも
西宮市立夙川小学校2年 福田 知世 原風景への誘い十選
尼崎市立大島小学校2年 棟田 心晴 パラリンピック
加古川市立氷丘南小学校2年 田原 ねね花 なつ休みのべんきょう
高砂市立米田西小学校2年 中岡 航大 タコ大すき

▽小学校3・4年

審査員特別賞
学校名・学年 受賞者 タイトル
審査員特別賞 姫路市立白浜小学校4年 生越 圭悟 備えるってどういう事?
優秀賞・販売店会賞
優秀賞・
販売店会賞
神戸市立舞多聞小学校4年 三輪 英佑 食品ロスをへらすためにぼくができること
高砂市立米田西小学校4年 中岡 春翔 食べてみたい 大山スイカ
入選
入選 神戸市立泉台小学校3年 髙須 光夢 私の妹
福崎町立田原小学校3年 松岡 夕景 新しゅのきょうりゅう発見
神戸海星女子学院小学校4年 草場 結加 一歩をふみ出す大切さ
光の子どもクリスチャンスクール4年 金子 八恵 みうはみう
姫路市立安室小学校4年 髙田 康介 「アゲアゲ」応えん

▽小学校5・6年

審査員特別賞
学校名・学年 受賞者 タイトル
審査員特別賞 神戸市立妙法寺小学校5年 中嶋 大智 農業の未来
優秀賞・販売店会賞
優秀賞・
販売店会賞
三木市立広野小学校5年 新藤 彩羽 こころの病気との向き合いかた
神戸海星女子学院小学校6年 笠谷 莉央 多様性の象徴
入選
入選 神戸市立泉台小学校5年 城山 航汰 サーモンと海を守れ ぼくができること
神戸海星女子学院小学校5年 鍋島 光都 コーヒーまだ楽しめます
関西学院初等部5年 有本 眞麻 地震に対する正しい知識を持つ
姫路市立水上小学校6年 寳川 桃 カラー写真が教えてくれた戦時中の生活
たつの市立揖西東小学校6年 嶋津 沙愛 水のこわさ

▽中学生

審査員特別賞
学校名・学年 受賞者 タイトル
審査員特別賞 小林聖心女子学院中学校1年 栁原 英恵 差し迫る美ら海の危機
優秀賞・販売店会賞
優秀賞・
販売店会賞
神戸市立福田中学校1年 望月 咲歩 国語力の低下
姫路市立城乾中学校3年 守田 惇冶 社会に広がるデザイン
入選
入選 賢明女子学院中学校1年 大西 倖帆 AIと想像力
賢明女子学院中学校3年 野中 麻央 心の花束
兵庫県立大学付属中学校3年 前田 莉玖 災害時こそ
小野市立小野中学校3年 水池 綾心 「+967」
小野市立小野中学校3年 渡邊 裕珂 グッドルーザーであれ

▽高校生

審査員特別賞
学校名・学年 受賞者 タイトル
審査員特別賞 兵庫県立網干高等学校2年 福永 さくら 忘れてはいけない過去
優秀賞・販売店会賞
優秀賞・
販売店会賞
神戸市立摩耶兵庫高等学校2年 垣内 梨亜 父の号泣 忘れたい、でも忘れたくない
賢明女子学院高等学校2年 清水 彩花 いまを生きる私たち
入選
入選 姫路女学院高等学校1年 米澤 夏緒 平和について考える
神戸星城高等学校2年 春野 仁美 繰り返さないために
兵庫県立津名高等学校2年 繁森 慧美 「おさがり」という名のつながり
賢明女子学院高等学校3年 菅野 柚希 イメージ
姫路女学院高等学校3年 林田 真心 スポーツの力

(敬称略)

学校参加校(109校)

【小学校=46校】

 神戸市=藍那、泉台、渦が森、神の谷、小寺、長坂、御影、宮本、竜が台、若草、甲南、神戸海星女子学院▼尼崎市=大島、七松▼西宮市=神原、名塩、仁川学院▼宝塚市=関西学院初等部、小林聖心女子学院▼猪名川町=光の子どもクリスチャンスクール▼加古川市=東神吉南▼高砂市=荒井、曽根、米田、米田西▼稲美町=加古、天満東▼三木市=広野▼小野市=小野▼加東市=東条学園▼多可町=八千代▼姫路市=安室、伊勢、豊富、花田、水上▼たつの市=揖保、小宅、揖西東、神部、龍野、御津▼福崎町=田原▼神河町=神崎▼豊岡市=日高▼洲本市=大野

【中学校=38校】

 神戸市=王塚台、小部、神戸生田、筒井台、雲雀丘、福田、竜が台、愛徳学園、神戸山手女子▼尼崎市=園田学園▼西宮市=関西学院中学部▼宝塚市=小林聖心女子学院、雲雀丘学園▼猪名川町=光の子どもクリスチャンスクール▼明石市=衣川▼加古川市=氷丘、両荘みらい学園▼高砂市=荒井、鹿島、宝殿▼播磨町=播磨南▼三木市=三木▼小野市=旭丘、小野▼加東市=社、兵庫教育大付属▼多可町=加美、八千代▼姫路市=家島、城乾、東光、坊勢、賢明女子学院、姫路女学院▼上郡町=兵庫県立大付属▼香美町=小代▼洲本市=蒼開▼淡路市=津名

【高校=25校】

 有馬、伊川谷、神戸甲北、長田、神戸市立科学技術、神港橘、摩耶兵庫、愛徳学園、神戸朝鮮、神戸星城、県立西宮、関西学院高等部、小林聖心女子学院、雲雀丘学園、光の子どもクリスチャンスクール、明石南、三木北、網干、日ノ本学園、姫路女学院、賢明女子学院、山崎、神崎、洲本、津名

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