創る 生を見つめて
生きる意味芝居で問う

森もりこさん (59)
劇団自由人会代表/芦屋市

▼ 記事を読む ▼
創る 生を見つめて
生きる意味芝居で問う

森もりこさん (59)
劇団自由人会代表/芦屋市

 学校を巡演するプロ劇団として旗揚げしたのは震災の1年前です。活動が本格化してきた時、神戸市東灘区の事務所と稽古場を失いました。住まいを

なくした団員もいました。
 静岡県の中学校での公演を2日後に控えていました。幸いみんなけがはなく、舞台装置を積んだトラックも無事でした。衣装は道中で探せばいい。中

止にはしないと決めて、寸断された道を迂回(うかい)しながら向かいました。
 20時間かかりました。まさか神戸の劇団が来てくれるとは...と、すごく感動してくれて。帰りに、生徒らが鉛筆やノートをかき集めてくれて、届け

てほしいと託されました。
 あの時、あきらめずに公演できた。生かされた自分たちができることは芝居しかないって強く感じたから、その後もずっと続けられたと思っています

。震災がテーマの作品をはじめ、公演は1400回を超えました。全国で楽しみにしてくれる人がいる。ほんとに多くの人に支えられて演じてこられた


 生きる意味を問いかける作品を選ぶのも、あの時の経験から。芝居は一人の子どもの生き方を変える力がある。そう信じてこれからも演じていきます

。(岡本好太郎)
=おわり=


2014年9月26日掲載
写真撮影場所:

神戸市垂水区東舞子町7、劇団自由人会の稽古場