神鉄六甲駅に進入する準急三田行き
神鉄六甲駅に進入する準急三田行き

兵庫県には大手私鉄ではないものの、規模が大きい鉄道会社として、山陽電気鉄道と神戸電鉄(神鉄)が存在します。それでは、乗車人員トップ5の駅はどこでしょうか。トップ5の駅に、共通点はあるのでしょうか。

■意外と難しいトップ5の選定

1日あたりの乗降人員トップ5の駅に関して、山陽と神鉄それぞれが公表している「令和5年度移動等円滑化取組報告書(鉄道駅)」を参考にします。

山陽のトップ5までの駅は以下の通りです。1位:山陽明石駅(24,742人)、2位:山陽姫路駅(22,566人)、3位:板宿駅(16,845人)、4位:山陽垂水駅(8,876人)、5位:荒井駅(8,460人)です。

一方、神鉄のトップ5までの駅は以下の通りです。1位:鈴蘭台駅(13,334人)、2位:三田駅(10,175人)、3位:北鈴蘭台駅(9,029人)、4位:岡場駅(8,606人)、5位:湊川駅(7,127人)です。

しかし、神鉄のランキングに関しては、考慮する問題があります。それは新開地駅と谷上駅の扱いです。神鉄の「移動等円滑化取組報告書(鉄道駅)」には、阪急、阪神、神鉄が乗り入れる新開地駅の1日あたり乗降客数は掲載されていません。神戸市統計書では、新開地駅の乗車人員は掲載されていますが、阪神・阪急神戸高速線が含まれているため、参考になりません。そのため、新開地駅は外しました。

また、「移動等円滑化取組報告書(鉄道駅)」では、谷上駅の欄は「神戸市交通局から報告」と書かれています。谷上駅は神鉄有馬線の他に、神戸市営地下鉄北神線が乗り入れています。

「神戸市統計書」によると、令和5年度の神戸市営地下鉄谷上駅の乗車人員(総数)は6,377,000人です。1日あたりの乗車人員に直すと、約17,000人。おおよその乗降人員は34,000人になります。

この34,000人には、神戸市営地下鉄単独の乗降人員が含まれているため、額面通りには受け取れません。ただ、神鉄・神戸市営地下鉄間の乗り換え客も含め、肌感も考慮すると、少なくとも谷上駅がトップ5に入ることは確実だと思われます。

■速達性に勝る路線への乗り換えが目立つ結果に

1日あたりの乗降人員トップ5の観点から、山陽と神鉄の共通点は、速達性に勝る鉄道路線と接続する中間主要駅の利用が多いことです。トップになった山陽明石駅はJR神戸線との接続駅です。明石から三宮・大阪方面へはJR・新快速が山陽・直通特急よりも早く着きます。なお、山陽垂水駅でもJRに乗り換えられますが、JR垂水駅には新快速は停車しません。

神鉄だと、谷上駅が挙げられます。谷上駅は神戸市営地下鉄北神線の接続駅です。谷上から三宮へは、神戸市営地下鉄経由の方が圧倒的に早く着きます。2020年6月には、北神急行北神線から神戸市営地下鉄北神線に移行し、運賃が値下げとなりました。そのため、北神急行北神線の利用者数は増えています。谷上駅ホームでは、神鉄と神戸市営地下鉄との乗り換えで賑わっています。

一方、終着駅の山陽姫路駅と三田駅がランクインしていますが、これは意味合いが異なります。山陽姫路駅は人口50万人の姫路市の玄関口であり、駅周辺には山陽百貨店をはじめとする大型商業施設が存在します。JR姫路駅から少し離れた山陽姫路駅自体が、4面4線を有するターミナル駅です。

神鉄の三田駅は人口約10万人の三田市の玄関口ですが、JR宝塚線三田駅への乗換駅としての性格が強い駅です。ダイヤもJR線との接続を考慮しています。神鉄三田駅は2面2線構内を持ち、JR三田駅に隣接。神戸電鉄沿線から、三田駅経由で大阪方面へ向かう利用者を多く見かけます。

このように、山陽と神鉄の主要駅を見ましたが、今後は順位の変動が気になるところです。特に、山陽は直通特急の停車駅を増やす傾向にあるため、ランキングには要注目です。

(まいどなニュース特約・新田 浩之)