未来を変える
脱炭素への挑戦

大学生と考える、脱炭素のライフスタイル ヤマト住建(神戸市中央区)

2023/03/22

 


 脱炭素社会の実現に向けて、行政や企業活動が対応を迫られる中、私たち一人一人が暮らしの中でできることは何か。神戸新聞社と連携協定を結ぶ神戸大学の学生が、兵庫県内などに拠点を置く7事業者の取り組みを記者とともに「取材」し、脱炭素のライフスタイルについて考えた。


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■将来住む家、環境負荷に配慮


 住宅業界では、家で使う電気を太陽光で生み出し、家庭からの二酸化炭素(CO2)排出をなくすゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)が広がる。農学部4年の高野愛さん(22)は、ZEHの普及促進を図る住宅メーカーのヤマト住建(神戸市中央区)に、エネルギーの自給自足について聞いた。


ヤマト住建の入口泰尚さん(右)から、CO2排出をなくす家造りについて聞く高野愛さん=神戸市北区鳴子2(撮影・秋山亮太)



 ZEHは、エネルギーの自家発電・消費とともに、住まいの省エネ性を高めることで電力消費の低減を図る。同社が受注する住宅の約8割がZEH仕様。同社は住宅の性能を高めた効率的なエネルギー利用を提案している。


 高野さんが訪れた神戸市北区のモデルハウスは、太陽光パネルで発電し、電気自動車(EV)から住宅に放電する設備「V2H」も備える。さらに送風機で空気を循環させ、エアコン1台で約120平方メートルの全館空調を賄う。同社の入口泰尚・技術開発部本部長は「家の気密性や断熱性を高めることで、電気をより効果的に使えます」と話した。


 高野さんは「環境配慮の住宅を始めたのはいつからですか」と質問。入口さんは「阪神・淡路大震災後にシックハウスの問題があり、地球温暖化も進みました。環境に優しく、安心して暮らせる住宅の必要性を感じました」と答えた。


 高野さんは「環境負荷を抑えた生活を目指すのに、住宅はとても重要と感じました。将来、マイホームを検討する際には、断熱性や気密性にも気を配りたい」と話した。(横田良平)