未来を変える
脱炭素への挑戦

大学生と考える、脱炭素のライフスタイル 兵庫日産自動車(神戸市中央区)

2023/03/22

 


 脱炭素社会の実現に向けて、行政や企業活動が対応を迫られる中、私たち一人一人が暮らしの中でできることは何か。神戸新聞社と連携協定を結ぶ神戸大学の学生が、兵庫県内などに拠点を置く7事業者の取り組みを記者とともに「取材」し、脱炭素のライフスタイルについて考えた。


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■進化するEV「未来感じた」


 日産が扱う全3種の電気自動車(EV)が体感できる兵庫日産自動車(神戸市中央区)の灘店EV館(同市東灘区御影塚町4)を、国際人間科学部3年の寺田雄飛(ゆうひ)さん(21)と文学部2年の野々村郁実さんが訪れた。


EVの説明を聞く寺田雄飛さん(左奥)と野々村郁実さん(左手前)=神戸市東灘区御影塚町4



 環境問題に興味を持つ寺田さんが不安に思っていたのは、EVの航続距離が短いことだった。兵庫日産のカーライフアドバイザーを務める池田鎮夫(しずお)さんは「日産が調べたところ、コンパクトカー利用者の80%が1日50キロ以下の走行距離だった。最大180キロ走る軽自動車の『サクラ』でも十分」と説明した。


 また、池田さんは街中のEV充電設備が拡大している状況を紹介し、「今後はもっと使いやすくなりますよ」と伝えた。


 EVは環境に優しい一方、車体価格が高く、手が出にくいという野々村さんに、池田さんは「補助金があるので、現在は同クラスのガソリン車を購入する場合とそこまで大きく変わらない」。EVから住宅に放電する設備「V2H」などを使えば、EVを災害時に蓄電池としても使えるといい、サクラでは一般住宅の1日半ほどをまかなえるという。


 最後に2人は「アリア」に試乗。リモコン操作で車が駐車スペースから自動で動くと、2人は「おお」と声を上げた。試乗後、野々村さんは「未来の車って感じ」と感激し、寺田さんは「加速力や静かさ、振動が少ない点など、これまで乗った車とまったく違う乗り心地だった」と話した。(堀内達成)