有効回答1397社のうち2割がリーマン前の水準に利益が回復していないと答えました。規模別では、従業員10人以下の企業で回復の遅れが目立ち、戦後最長に迫る現在の好況の波に、小規模企業ほど乗り切れていないことが分かります。
「影響残っている」が
1割
「仕事量の減少」が635社(45・5%)で最多。自動車や関連部品の生産が大きく落ち込んだことなどが背景にあるようです。「単価の下落」が334社(23・9%)。各業界で低価格競争が繰り広げられたことから「競争の激化」を選んだ企業も191社(13・7%)ありました。
「医療・福祉」以外の全ての業種で、過半数以上の企業が何らかの影響を受けていたことが分かりました。「得意先の業績不振のあおりを受けた形で仕事が減った」(神戸市・卸売業)などの記述が回答にあり、影響が拡大していった様子がうかがえます。
最多は「給与・賞与を削減」で482社(34・6%)。「従業員の削減」が239社(17・2%)、「金融支援」が105社(7・6%)と続きました。苦境を乗り切るため、各社がリストラに踏み切りつつ金融機関との交渉に負われた姿が浮かび上がります。
「設備増強」「新分野への進出」「新製品の開発」「営業拠点の新設」に取り組んだ企業が目立ちます。新分野への進出では、小売業でのインターネット通販部門立ち上げのほか、建設業で保育や学習塾事業に進出するなど関連性の薄い異分野に挑戦する例もありました。規模別で見ると、従業員10人以下の企業は経営改革に取り組んだ割合自体が低く、積極的な投資を行う余裕がなかったことが分かります。
アンケートは8月、県内1882社を対象に行いました。1439社が回答し、リーマン後の創業を除く1397社を有効回答としました。分析では一般財団法人ひょうご経済研究所の協力をいただきました。
みなと銀行
http://www.minatobk.co.jp/
一般財団法人ひょうご経済研究所
http://www.heri.or.jp/