経済
包装紙と間伐材からTシャツ400人分 養護施設の子どもらにプレゼント 神戸市とネスレ日本
神戸市とネスレ日本(神戸市中央区)は、首都圏のカフェなどで回収した同社製品の包装紙や六甲山の間伐材で作ったTシャツを、神戸市内の児童養護施設で暮らす子どもたちに贈った。同市が首都圏での神戸応援企画を検討する中、同社の包装紙での衣服製作計画を知り活動が具体化した。
昨年10~12月、都内などの約20カ所で、使用済み包装紙を回収。想定の4倍を超す約110キロ分が集まった。木材販売のシェアウッズ(同市兵庫区)が提供した間伐材を混ぜ、「紙糸」に加工。同施設の子どもたち約400人分のTシャツを作り、ポートタワーや肉まんなど神戸ゆかりのイラストをちりばめた。
同市役所で贈呈式があり、ネスレ日本の嘉納未来執行役員は「神戸を応援する人たちの思いのたまもの」。受け取った市児童養護施設連盟の金子良史会長は「子どもたちが支えられていると実感できる」と感謝した。
同市とネスレ日本、シェアウッズなど14社・団体は今年2月、従来は廃棄されてきた物を加工し、新たな価値を持たせる活動「アップサイクル」を進める一般社団法人を設立。包装紙から作る繊維製品の販売などに取り組む。施設への製品の寄贈を続けるほか、売り上げの一部は六甲山保全のために寄付する。(大盛周平)