経済
AIでバウムクーヘン自動焼成 「南アの子どもたちに遠隔で届けたい」がきっかけ ユーハイム社長
菓子作りの技術革新を学ぶ公開講座が東京都内であり、洋菓子メーカー「ユーハイム」(神戸市中央区)の河本英雄社長(53)が、人工知能(AI)を搭載したバウムクーヘン自動焼成機「THEO(テオ)」について講演した。
甲南大(同市東灘区)の主催で、会場で30人、オンラインで約80人が参加した。
河本社長は開発のきっかけを「南アフリカのスラム街の子どもたちに菓子を届ける約束をしたが、持ち込みが許されず、遠隔で作れないかと考えた」と説明。第1号機は新型コロナウイルスの感染が拡大する直前に完成し、その後、職人不足に悩む菓子店に貸し出し、今では全国で20機が稼働しているという。
「テオは、各地の職人の技術を2日ほどで学んでデータ化し、クラウドで共有できる。いずれは今までにない作り方ができる」と河本社長。試行錯誤が、ベテラン職人の技術の進化にもつながったといい、今後は世界的な広がりにも期待を示した。