経済
手術支援ロボ「ヒノトリ」、新たに3領域で適用申請へ 25年度までに呼吸器外科など 半年ごとに機能更新
医療用ロボットメーカーのメディカロイド(神戸市中央区)は16日、国産初の手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」について、2025年度までに呼吸器外科など3領域の手術に使えるよう、国に申請する方針を明らかにした。今後、半年に1回のペースで機能を加え、競合機種との違いを際立たせていく。
都内で開いた説明会で浅野薫社長が示した。同社には川崎重工業(神戸市中央区)とシスメックス(同)が共同出資する。
ヒノトリは20年8月に製造販売承認された。使える診療科領域は当初の泌尿器科に加え、今年10月から消化器外科と婦人科が追加。今後、23年度に呼吸器外科、25年度までに耳鼻咽喉科、心臓血管外科も申請する。
今年9月末までに大学病院など28施設に納入され、12月15日時点で計約840件の手術が行われた。市場シェアはメディカロイドの推計で、21年度の約10%から、22年度上期に約20%に上昇した。
これまでにロボットアームの可動範囲を広げるなど、複数の機能を拡充。ソフトウエアの更新頻度も増やし、医師の要望に応じた性能向上につなげる。宗藤康治副社長は「スピーディーな対応が強み。ハードを含め、さまざまな機能を向上させていく」と話した。(高見雄樹)