経済
米穀最大手の神明HD、青果荷受け「神果神戸青果」と資本業務提携 集荷と販売体制を強化、流通効率化へ
コメ卸最大手の神明ホールディングス(HD、神戸市中央区)は6日、神戸市中央卸売市場など県内3市場の青果荷受けを担う神果神戸青果(同市兵庫区)と資本業務提携したと発表した。神明HDが同日付で発行済み株式の約15%を取得した。取得額は非公表。同社傘下の青果卸とのグループ間取引や集荷、販売面で連携し、事業の効率化や拡大を目指す。(赤松沙和)
神明HDは2017年、大阪市中央卸売市場東部市場の荷受けを手がける青果卸大手の東果大阪(大阪市)を買収し、青果卸に本格参入。その後、岡山市の大同印岡山大同青果、21年には東京・豊洲市場などを拠点とする東京中央青果を傘下に収めた。東京と大阪の二大都市圏をまたぐ唯一の青果卸グループ。
神果神戸青果は1958年創業。神戸市中央卸売市場と明石、尼崎の地方卸売市場を拠点に、22年3月期の取扱高は約340億円と兵庫県内の青果卸最大を誇る。今後、神明グループの市場網と連携した効率的な物流や県内3市場の集荷、販売体制の強化を図る。
今回提携する神明グループと神果神戸青果を合わせた青果取扱高は約1600億円と、業界2位の規模になるという。
この日、神戸市内で会見した神明HDの藤尾益雄社長は「日本の農業、食を守るため、自給率を上げられるのはコメと野菜しかない。青果業界で規模を拡大し、発信力や存在力を高めたい」。神果神戸青果の原田俊一社長は「提携を機に抜本的な企業改革に取り組み、各市場を活性化して産地と販売先に貢献したい」と話した。