経済
「山田錦に代わりうる良い酒米」新開発の酒米で仕込んだ純米大吟醸 沢の鶴が限定販売
沢の鶴(神戸市灘区)は、酒米山田錦に並ぶ高品質な品種を目指し、開発した酒米で醸した純米大吟醸酒「沢の鶴 NADA88」を数量限定で発売した。農業機械大手ヤンマー(大阪市)と6年がかりで取り組んだ「酒米プロジェクト」の集大成となる。
「酒米プロジェクト」として2016年から取り組んできた。ヤンマーが保有するイネの種子から酒造りに適したサンプルを選び、試験栽培や酒造り、試飲を重ねた。栽培や醸造に適し、酒の味わいも良い「OR2271」を厳選し、品種登録も申請した。山田錦に比べて草丈が短いため、倒れにくく、タンパク質と脂肪が少なく酒に雑味が出にくいという。
プロジェクトではこれまでに日本酒3種を開発、販売し今回は第4弾となる。上品でフルーティーな香りや滑らかな味わいが特長。商品名の「88」は、「米」の漢字やコメ作りにかかる手間の数にちなんだ。
沢の鶴の西村隆社長は「山田錦に代わりうる良い酒米ができた。多くの人に味わってもらい、日本の農業と日本酒の未来も応援してもらいたい」と話した。
180ミリリットル入りで2千円。パッケージの紙には、長期間備蓄され廃棄予定だったコメも使った。同社TEL078・881・4301
(赤松沙和)