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兵庫県内上場企業株主総会、ハイブリッド型増加 コロナ対策などで配信併用、集中日は29日

2022.06.14
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昨年の新明和工業の株主総会。インターネットでライブ配信もされた=2021年6月、宝塚市新明和町(同社提供)

昨年の新明和工業の株主総会。インターネットでライブ配信もされた=2021年6月、宝塚市新明和町(同社提供)

神戸新聞NEXT

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 兵庫県内に本社・本店を置く3月期決算の上場企業73社の定時株主総会が14日から始まる。集中日は29日で、全体の25%、18社が開催予定。インターネット配信併用の「ハイブリッド型バーチャル総会」を行う企業が2021年の5社(全77社の6%)から8社(11%)に増え、ネットで事前に質問を受け付ける企業も目立つ。各社とも新型コロナウイルス対策と株主の利便性向上に工夫を凝らしている。(大島光貴)

 東京証券取引所のサイトなどによると、株主総会の開催予定は、14日がアサヒホールディングス(神戸市中央区)と神戸電鉄(同市兵庫区)。集中日の29日は、三ツ星ベルト(同市長田区)やG-7ホールディングス(同市須磨区)など18社。続いて24日が17社、28日が13社となっている。

 一方、全国では、東証によると、29日の集中日の集中率は26%で集計を始めた1983年以来最低。株主との対話の場として最大限活用するため、分散化が進んだとみられる。「バーチャル総会」は前年比4・1ポイント増の18・7%となった。

 今年初めてハイブリッド型で開くシスメックス(神戸市中央区)は、19年に397人だった出席株主が20年に48人、21年は38人と激減。コロナ禍で来場を控え、事前に議決権を行使するよう株主に要請したためだ。

 今回は自宅や遠方にいても、当日の説明や質疑応答をリアルタイムで傍聴できるようにする。事前の質問も可能で、担当者は「より多くの方に話を聞いてもらうことで、当社を深く理解いただき、引き続き支援をお願いしたい」とする。

 石光商事(同市灘区)もコロナ禍前に約80人だった出席株主が10人を下回るようになり、「対話の機会を増やしたい」と今年からライブ配信を併用する。

 また、20年から併用を続ける山陽特殊製鋼(姫路市)では21年、来場者の2倍に上る株主がライブ配信を視聴。21年に始めた新明和工業(宝塚市)は今年から事前に質問を受け付け、利便性向上に努める。

 一方、ハイブリッド型を検討したが、見送った企業もある。神戸製鋼所(神戸市中央区)は、総会に出席できる13万人超の株主が一度に接続した場合に通信トラブルを防ぐ準備や、本人確認を万全に行う方法ができていないほか、来場する株主のプライバシーにも配慮する必要があるなどとして、今年はリアルでの開催のみとした。

 代わりに議事のうち、事業報告のみを動画で総会終了後1カ月程度配信。それ以外の決議事項などは書面で自社サイトに公開する。