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人手不足解消へ、求む文系女子! 製造現場にも広がる活躍の場 中小企業が採用に力

2022.03.22
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中小企業の担当者(手前)から説明を聞く女子大学生ら=神戸市中央区加納町4、アンカー神戸

中小企業の担当者(手前)から説明を聞く女子大学生ら=神戸市中央区加納町4、アンカー神戸

ゲームで交流する女子大生と中小企業の担当者ら=神戸市中央区加納町4、アンカー神戸

ゲームで交流する女子大生と中小企業の担当者ら=神戸市中央区加納町4、アンカー神戸

 2023年春卒業の大学生らの就職活動が本格的に始まり、兵庫県内の中小メーカーが理系に加え、文系女子学生の採用に力を入れている。少子高齢化に伴う人手不足の解消を目指すとともに、従来と違う視点を採り入れる経営のダイバーシティー(多様性)につなげる狙いがある。

 「製造の現場には怖いイメージがあるかもしれませんが、優しい人ばかりです」

 今年2月、県内のメーカーなど約400社で構成する兵庫工業会と武庫川女子大学(西宮市)が、ビジネス交流拠点アンカー神戸(神戸市中央区)で就活イベントを開いた。県内の中小ものづくり6社の担当者らが、業務内容や女性従業員の多さ、清潔な職場環境、仕事と生活の調和などを説明した。

 1~3年の約20人が参加し、経営学部の2年生は「中小メーカーは遠い存在だったけど、説明を聞いて働けるかなと思った」と表情を和らげた。

 兵庫工業会は21年、武庫川女子大、神戸親和女子大(神戸市北区)と連携協定を結ぶなど、女性の就業促進に注力する。宮本要専務理事は「ものづくりは結果が形になる面白さがある。『文系女子』が働く場所はいくらでもある」と強調する。

 兵庫労働局がまとめた22年1月の県内の有効求人倍率(季節調整値)は0・94倍と1倍を下回ったが、製造業の新規求人数は前年同月比48%増となった。21年4月から10カ月連続で伸びている。

 一方、中小企業を研究する武庫川女子大経営学部の山下紗矢佳講師は「文系女子学生は地元への就職志向が強いのに、学生も中小製造業も互いに関心が低かった」と指摘する。

 計測機器を扱う山本電機製作所(神戸市長田区)は、半導体製造向けの販売が好調で、山本博和社長は「休みの取りやすさなどを女子学生にPRしたい」。これまで中途採用が中心だったが、23年春は女性を含む5、6人の新卒採用を考えているという。

 自動車部品などを加工するカルモ鋳工(同市西区)も、需要が回復しつつあり、今春は3年ぶりに新卒採用を復活させ、来年も続ける。従業員約50人の2割を女性が占め、事務だけでなく、営業や製品検査、コンピューターを使った設計など活躍の幅を広げている。

 高橋直哉社長は「女性ならではの目線を取り入れ、顧客対応やウェブ発信などに生かしたい」と、さらなる躍進に期待する。(森 信弘)