経済
【詳報】不動産開発のESR、川西に国内最大規模の物流センター開設へ 総投資額502億円
物流施設開発・運営のESR(東京)は1日、兵庫県川西市東畦野、東多田の計約50・6万平方メートルに、在庫型物流センターを建設すると発表した。同社によると、同社では過去最大、国内の物流業界でも最大規模のプロジェクト。新名神高速道路が全線開通すればアクセスが向上することを見越して、近畿を中心に西日本エリアをカバーする物流拠点として整備する。
名称は「ESR川西ディストリビューションセンター」。川西市北部の国道173号沿いに広がる元住宅開発用地をESRが買い取った。新名神高速道路の川西インターチェンジ(IC)から3・8キロと近く、大阪(伊丹)空港とのアクセスも良いことから物流拠点として利便性が高いと判断した。
2期に分けて建設し、1期目は広さ14・5万平方メートルの敷地に延べ床面積9万平方メートルと、同9・6万平方メートルの物流施設2棟(いずれも地上6階建て)を建設する。2023年7月に着工、24年12月に完成する予定で、総投資額は502億円を見込む。
2期目は25年以降に着工予定で、さらに2棟の物流施設の建設を計画する。
新名神の全線開通を念頭に、京阪神の周辺地域では米国の物流不動産大手プロロジスなどの大規模物流施設の開設が相次いでおり、ESRのスチュアート・ギブソン社長は「関西圏でのマルチテナント型物流施設(複数の物流業者が共有できる施設)への需要の高まりに応える」としている。
同社は香港にグループ本社を置き、アジア・太平洋地域で物流施設を開発・運営。日本国内では25カ所の施設を開設しており、中でも尼崎市の施設は延べ床面積が39万平方メートルと、既存の物流施設としてはアジアで最大規模という。川西市を含め、現在国内10カ所で建設計画を進めている。(西井由比子)