経済
篠山東雲高生が原料栽培した純米酒 「神戸みなと温泉蓮」のレストランで提供
温泉旅館「神戸みなと温泉 蓮(れん)」(神戸市中央区)は、館内のレストランで、篠山東雲(しののめ)高校(丹波篠山市)の生徒が作った酒米を原料とする日本酒の提供を始めた。蓮の姉妹施設「ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド」(神戸市中央区)で4年前、同校で育てた野菜を料理メニューに採用した縁があり、生徒たちの取り組みやコロナ禍で苦しむ日本酒業界を支えようと企画した。
同校は2018年度から本格的に酒米を栽培する。現在は「五百万石」と「Hyogo Sake 85」の2品種で、今年は計約4・2トンを生産した。
酒米は地元の「鳳鳴酒造」に出荷し、同社が辛口でしっかりとした味わいの純米酒「田舎酒純米 東雲の穂」を醸造して一般販売している。
ラ・スイートは17年、同校で育てた野菜をフレンチレストランで提供して好評だったことから、総料理長が感謝を伝えるために同校で調理実習をするなど、交流を温めてきた。
情報交換を通じて、蓮の運営会社「ラスイート」の企画広報部マネージャー中川大輔さん(39)が東雲の穂を知り、館内で提供することを決めた。
中川さんは今年11月、〓酒師(ききさけし)の資格を持つ蓮の小林映美さん(29)と同校に赴き、酒米栽培を手掛けるアグリプロダクト類型の生徒10人に、学校との縁や日本酒と料理の相性、ラスイートの地産地消の取り組みなどを伝えた。
中川さんは「私たちにとって生産者はなくてはならない存在。蓮でのPRを通して、日本酒の魅力を少しでも広められたら」と生徒たちに呼び掛けた。
同校2年の森田一志さん(17)は「学校のアピールになるし、旅館に置いてもらえてありがたいです。コロナ禍でお酒の席は減っているけど、ぜひ味わって」と話していた。
東雲の穂は、蓮のレストラン「万蓮(まんれん)」「水蓮(すいれん)」でグラス(90ミリリットル)660円ほか。(大盛周平)
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