経済
自動運転車、バックで機械式駐車場に入庫 新明和工業と群馬大が業界初
新明和工業(宝塚市)と群馬大学(前橋市)は、自動運転車をバックで機械式駐車設備に入庫させる実証実験に成功したと発表した。同社によると業界初。車両と設備が相互通信する独自のシステムで、高精度の誘導を実現した。
同社は大型の機械式駐車設備で国内トップシェア。2017年末に群馬大と共同研究を始めた。
車両と設備は無線LAN「Wi-Fi(ワイファイ)」で情報を送受信する。設備側はセンサーでタイヤや車体の位置をつかみ、駐車すべき場所を伝える。車は情報をもとに、適切な入庫経路を算出する。
車の位置は0・05秒ごとに更新され、ハンドルの切り返しなど微調整を繰り返して入庫する。19年、群馬大の実験設備で前進入庫に成功した。
バックでは、駐車場前の幅5・5メートルという狭い立地からほぼ垂直にカーブする入庫を想定した。車両の角度が大きく変わり、より多くの微調整が必要となるため、車体を正しく検出できるよう設備のセンサーの位置などを工夫した。誤差は左右2センチ以内に抑え、2分ほどで完了する。
自動車メーカーが採用するかなどの課題もあり、実用化の時期などは決まっていない。
同社パーキングシステム事業部の難波政浩事業企画室長は「自動運転が普及すれば、複雑な入出庫の機会も増える。社会に求められるタイミングでサービスを提供できるよう準備しておきたい」と話している。(中務庸子)



















